人貸し
週末になって先週までしばらく続いた小春日和の穏やかな晴れ間がうそうような天気に変わった。土曜日は雨、そして日曜日は晴れ間があったが、強風も吹き、午後からはしぐれ模様の天気になった。気温もぐっと低くなり、10度を下回った。
ビデオの制作業者の間では同じ日に仕事が重複して人が足りない時にビデオ撮影のみを外注する「人貸し」がよく行われる。この業界のほとんどは少人数で経営しているのがほとんどで、お互いさまなので、仕事が入っていない時は引き受けることにする。
この土曜日に撮影したのは県南の町にあるお寺の落慶法要。簡単にいうと檀家や仲間の坊さんをたくさん呼んでの寺の本堂の新築祝い。ただ、普通の新築祝いと違うのは2日にわたり古式にのっとり、延々と儀式が行われること。実は3年前にも前住職の葬儀を撮影しており、葬儀の時と同様、冊子になった式次第には見たこともない漢字で書かれている。私は土曜日だけの撮影だったが、テープを回した時間は合計で4時間30分。このくらい撮影すると普通ならくたくたなってしまうところだが、今回は違った。
この寺は「曹洞宗」だが、 その大本山である福井の「永平寺」から78代住職の宮崎禅師がわざわざ出席されたのだ。宮崎禅師の年齢はなんと107歳、さすがに車椅子での姿であったが、法事をしっかりとこなされ、最後に参加者に対して約30分にわたり、人生感をゆっくりと述べられ、そのお言葉に仏教にあまり関心のない私も感動を覚えた。ちなみにこの小さな町のお寺に最高責任者が来られた理由は亡くなった前住職が宮崎禅師の弟子で生前、落慶法要の際は出席すると約束をされていたとのことでそれを果たすために訪れたとのことである。
2ヶ月前の「人貸し」は「掃除に学ぶ会」の仙台での全国大会の撮影であったが、これはトイレ掃除を実践することで自分を心を磨くという。参加者の「宮城県知事」や「横浜市長」が会場になった中学校のトイレに素足になり、一生懸命素手でトイレの掃除をしている姿を目の当たりにして、せめて自宅のトイレは自分で清掃しようと反省させられた。最後まで撮影していると知事からは撮影中なのに握手を求められ、名刺までいただき感激した。これらの出会い、ビデオをやっていなければ味わうことができなかった経験と思う。
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